U-DASH結成のときの話

私が保育士として宇和で働き始めた当時、その法人には男性保育士がいませんでした。

それまでも男性保育士を採用していたようですが、様々な理由で定着せず、辞めてしまうことが続いていたようです。そこで「まとめて男性保育士を採用すれば定着するのでは?」という法人の考えのもと、私を含めて4名の同期が採用されました。

せっかく縁あって一緒に採用された同期の男性保育士たちと、私も楽しく長く働き続けたいと思いました。そのため、飲み会を開いたりもしましたが、どうしても愚痴を言い合う場になりがちで、それも悪くはないものの、もっと良い形があるのではないかと考えていました。

当時、男性保育士はまだ珍しく、「男性保育士は気持ち悪い」と陰で言われたり、「ちょっと変わっているよね」と扱われることも少なくありませんでした。自分たちの仕事がそう見られることに違和感を感じ、「男性保育士も当たり前にいて良いよね」という雰囲気を作りたいと強く思っていました。

職場内でも様々な取り組みを行いましたが、職場内ならではの難しさもありました。そこで、「職場外で勝手に活動すれば、誰にも文句を言われないだろう」という思いから、U-DASHを立ち上げました。このような経緯で、U-DASHはどこにも所属せず、完全に独立した任意の団体として活動しています。

なぜヒーロー活動を選んだかというと、以前他県で保育士をしていた際に、地元の商工会の方がローカルヒーローとして活動し、それが子どもたちにとってテレビの仮面ライダー以上に人気があったのを見たことがきっかけです。「自分の保育園の先生がヒーローなんだよ!」という状況になったら面白いのではと思い、ヒーローショーを始めることにしました。

最初はドンキで全身タイツを買い、台本も何とか書き上げました。パソコンが少し得意だったので音源は自作できましたが、すべて手探りでのスタートでした。当初はラジカセで音源を再生していましたが、それでは物足りなくなり、メンバーでお金を出し合って業務用の音響機材を揃え、その操作方法も独学で習得しました。

活動を始めてすぐの頃、西予市の事業に応募したところ採択され、その予算で衣装の材料を揃えることができたのは大きな転機でした。衣装作りは自分たちで行ったため大変でしたが、その担当の方には採択のためにご尽力いただき、本当に感謝しています。

初期の頃は、登場と同時に大人に笑われることもあり、悔しい思いをすることもありました。しかし、楽しんでくれる子どもたちや応援してくださる方々のおかげで、活動を続けることができました。

結成当初に冗談で話していた「エミフルや文化会館の大ホールでやれたらいいよね」とか、「松山のイベントに呼ばれたらすごいよね」という夢物語も、すべて実現しました。U-DASHを通して本当に素晴らしい経験をさせてもらっており、これもすべて応援してくださった方々のおかげです。本当にありがとうございます。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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